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Triangle 9
(9話/姉妹の和解)

圭ちゃんが出て行った後、私はベッドの上で大泣きした。


圭ちゃんが魅音の事を意識しているのは気付いてた。私と魅音を混同するような事も何度かあった。
それでも気付かないふりをして圭ちゃんの意識を私に向けようと頑張っていたのに。
それなのに圭ちゃんは結局私の事なんて見てなかった…

私何やってるんだろう…
魅音に意地悪するために体で誘惑して寝取るような汚れた私じゃもう悟史くんに顔向け出来ないよ…


その時、玄関のチャイムが鳴った。
だが今は到底出る気にはなれず、それを無視した。
すると今一番聞きたくない声が聞こえてきた。
「詩音っ!詩音開けて!」
しかし、いつまでたっても玄関からチャイムと声が鳴り止まず、我慢の限界に達して私はドア越しに叫んだ。
「こんな時間に何っ?!近所迷惑だから帰って!今あんたの相手してる気分じゃないの!」
「詩音…開けてよ…お願いっ」
魅音の声が涙で震えている事に気付き、何事かと思わず扉を開けてしまった。
すると涙で頬を濡らした魅音が入るなり私に抱きついてきた。
「一体なんなのよ?こんな時間に…」
「…うっく…圭ちゃんひどいよね?…詩音とあんなに仲良かったのに…」
「…聞いたの?」
魅音の言葉で大体の状況が理解出来てしまった。
思った通り、圭ちゃんは魅音の所へ行ったようだった。
「私達の事なんだと思って…うっく…」
このバカは…私があれだけ意地悪したっていうのにまだ私の心配が出来るわけ…?どこまでお人好しなのよ…
「…はは、ざまぁないわよね。あんたから圭ちゃんを取ったつもりが結局私があんたの代わりでしかなかったんだから。
 笑いたきゃ笑いなよ!でもおあいにく様私だって圭ちゃんの事なんてなんとも思ってないんだから…」
私は半分自棄になって嘲笑すると、魅音が声を荒げた。
「嘘だよ!私が好きになったのに毎日あんなに一緒にいて好きにならないわけないよ!」
「…もうあんな奴顔も見たくない。あんたにのしつけてくれてやる。良かったね。あんた達最初から両想いだったんじゃない」
「もう圭ちゃんなんて…圭ちゃんがこんな事する人だなんて思わなかった」
「何よ!好きなんでしょ?私に気を使ってないで好きにすればいいじゃない!」
「違うよ!私だってさんざん辛い思いさせられたんだよ?それなのに詩音とダメになったら今度は私の所に来るなんて
 …そんなの許せない!」
魅音の言葉に胸がチクリと痛む。
この状況を作ったのは他ならぬこの私なのだから。
それに、魅音の言葉がまるで悟史くんがいない寂しさから圭ちゃんに手を出してしまった私の事のようだったから。
私は魅音を強く抱きしめ返した。
「…あんた、さんざん嫌がらせされておきながら私のところに来るなんてバカじゃないの?」
私はもう涙がこらえきれずに声が震えた。
「急にあんな事言われてどうしたらいいか分からなくなっちゃって…それに詩音がどんな気持ちでいるかって思ったらいてもたってもいられなくて…!」
「…どうしてあんたって人の事ばっかり…」
「確かに最初はわざとだったんだろうし悔しかったけど…だんだん詩音が圭ちゃんに惹かれていくのがよく分かったから…圭ちゃんもなんだかんだで嬉しそうだし、もうどうしようもないんだって必死に自分に言い聞かせてたのに…」
涙で声が裏返りながらも魅音は懸命に言葉を紡ぐ。
「…魅音っ…!」
私は更に強く抱きしめて魅音の肩で泣いた。
「…詩音…!」
魅音も同じようにしゃくり上げながら抱きしめ返してくる。
その後はただひたすら二人で泣き続けた。





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