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Triangle 4
(4話/圭詩デート)

私は圭ちゃんと関係を持ってから頻繁に雛見沢へ行き、魅音をからかって圭ちゃんを興宮に連れ出した。
もっとも、最近魅音は私が来るとさっさとその場から立ち去ってしまう事が多くなった。
私と圭ちゃんがイチャついてるのが辛いんだろう。

…圭ちゃんは本気なんだ…
あの子は今まで私が欲しがると諦めてなんでも私に譲ってきた。
その魅音がこんなにあからさまに態度に表すなんてね。
悟史くんの時でさえあっさり引き下がったくせに。
それどころか追いつめられてく悟史くんを何もせず見てただけのくせに…!
魅音だけ幸せになるなんて許さない。

私は圭ちゃんの腕にぎゅっとしがみついた。
「詩音…?」
圭ちゃんは驚いて照れくさそうに頬を染めていた。
その顔を見たらそれまでの黒い感情がすっと引いて温かい気持ちになった。
「えへへ☆」
私は圭ちゃんに可愛らしく笑いかける。
すると圭ちゃんも優しく微笑んでくれた。

圭ちゃんは東京にいた時によくゲーセンへ行っていたと言うので、興宮で一番の台数を誇るゲーセンを案内する事になった。
私はそんなに頻繁に行く訳ではなかったが、時々学校の友達と遊ぶ事があったので様々なゲームで圭ちゃんと対戦した。
しかし圭ちゃんは相当色々やりこんでいたらしく、私の付け焼き刃なテクニックでは及ばずに圭ちゃんに惨敗した。
「はっはっは、ゲーセンで俺にかなうと思うなよ?」
「もー!圭ちゃん容赦なさすぎです!こういう時はちょっとくらい女の子に華持たせもいいじゃないですか!そんなんだから今まで彼女もできなかったんですよ!」
圭ちゃんに負けたのが悔しくて私は文句をまくし立てた。
しかし圭ちゃんはおかしそうにクスクス笑っていた。
「じゃあ次は一緒にやろうぜ。教えてやるよ」
圭ちゃんはそう言うと普段からは想像つかない程の優しい笑顔で笑った。
不意に胸がきゅんと締めつけられる。
圭ちゃんにもこんな優しい顔が出来るんだ…
そして私の頭をわしわし撫でた。
その手は相変わらず乱暴だけど、とても温かかった。

…って私何圭ちゃんなんかにときめいてるの?圭ちゃんなんて悟史くんの足下にも及ばないんだから!

「ほら、これやろうぜ」
私がゲーム台の前に立つと、圭ちゃんはその後ろに立って体を密着させて操作盤に手を置いた。
「このゲームは真っ正面から見ないとうまく出来ないからな。よく見てろよ」
「ちょっ…圭ちゃん?!」
突然背後からくっつかれ、急に恥ずかしくなって赤面してしまった。
いつも素肌を重ね合わせもっと恥ずかしい事をしているのに、私はそれ以上に緊張していた。
…圭ちゃん相手にどうしちゃったの私?
そんな私に構わず圭ちゃんはゲームを始めた。
動揺を悟らないように私もゲームの操作をしたが、とてもゲームになんて集中できそうになかった。
「ほら、そこだっ!あー…」
結局焦って負けてしまった。
「もう一回だ!」
圭ちゃんは私の意見も聞かずに勝手にコインを入れていた。

「行けっ!よしっ!やったな詩音!」
「勝った勝った!」
圭ちゃんと私はパァンと手を合わせた。
私は徐々に平常心を取り戻してゲームに夢中になっていた。ゲーム自体は特に面白い訳ではなかったけど、圭ちゃんと一緒になって盛り上がっているだけで楽しかった。
「詩音もやれば出来るじゃねーか」
圭ちゃんはまた私の頭を撫でる。
「あ…当たり前です!私を誰だと思ってるんですか!」
私は圭ちゃんの手を払って圭ちゃんに背を向けて歩き出した。
どうして圭ちゃんに撫でられたくらいでこんなに赤くなっちゃうの?!…こんな顔圭ちゃんに見せられやしない。


でも………悟史くんが帰ってくるまでは圭ちゃん相手でも悪くはない…かな?





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