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Triangle 6
放課後、俺はこっそりレナを呼び出した。
「レナ…昼間は悪かったな。俺明日から詩音と二人で食べる事にするよ」
「そうだね…その方がいいかもね」
レナはいつものように笑ってくれた。
レナが怒ってるのではないかと思っていたので内心ホッとした。
「圭一くん、さっきはごめんね?でも……魅ぃちゃんの気持ちを考えたらどうしても許せなかったの」
「魅音の…気持ち?」
心臓がドキンと脈打った。
魅音は詩音が頻繁に来るようになってからずっと元気がない。魅音に元気がないと、場が締まらないし、なんだか毎日面白くない…
なんだろう、このモヤモヤした気持ち…
「圭一くんは詩ぃちゃんと付き合ってるんだよね?」
「…え?あ、まぁ……」
考え込んでいた所に突然声をかけられて返事が淀んでしまった。
言葉に出して意志疎通を図った訳ではないが、ほぼ毎日と言っていい程二人で遊びに行っているし、体も重ねているのだからそういう事になるのだろう。
「随分と曖昧な返事だね。じゃあ質問を変えるね?圭一くんは詩ぃちゃんの事が好き?」
「……好きだよ」
「じゃあ魅ぃちゃんは?」
「…!」
レナの鋭い目線に言葉を詰まらせる。
そこにはさっきまでのレナはいなかった。
「………なんでそこで魅音が出てくるんだよ」
俺は魅音の名前を出されて、おかしなくらい動揺していた。
「圭一くん答えて。魅ぃちゃんの事、どう思ってるの?」
俺の気持ちを見透かすような鋭い視線が心を抉った。
「……そりゃ、魅音はクラスメイトで、明るくて面白い奴だし、案外面倒見もいいし…好きか嫌いかって言われれば……好きだよ」
最後の言葉は消え入るように小さくなっていた。
「圭一くん、もう一度聞くよ?圭一くんは詩ぃちゃんの事が好きで付き合ってるんだよね?」
レナは俯く俺と強引に視線を合わせて目を逸らす事も許さなかった。
「も、もちろん。好きじゃなきゃ付き合わねえよ」
「ならいいの。変な事聞いてごめんね」
レナに詰問されて嫌な汗が流れた。出来ればこの場から早く逃げ出してしまいたかった。
「でももしそうじゃないならもうやめて。詩ぃちゃんも魅ぃちゃんも傷つける事になるんだよ!」
レナの瞳に射抜かれ、俺はそこに立っているのがやっとだった。足は竦み、口の中はカラカラに乾いていた。
レナはそう言ってその場を立ち去っていった。
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昼休み
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