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Tips:ピエロ
(Tips)

最近魅音の様子がおかしい。
普段はいつも通りふざけてはしゃいでいるが、たまにボーっと遠くを見たり泣きそうな顔をしたりする事が多くなっていた。
特に、俺の前ではそれまで普通に話していたのに急に悲しそうな顔になったりする。
だけど避けられているわけではない…と思う。
普段は普通に話をしたりふざけたりしてくれている。

じゃあ何だ?俺が何かしたか?
俺は普通に接しているつもりだが、気付かずに何か傷付けているのだろうか。
よく鈍いだの無神経だの言われている俺だ、有り得ない話じゃない。
しかしいくら考えても分からなかった。

転校してきて真っ先に俺に声をかけて、部活に誘ってくれた魅音。
そのおかげでこうしてみんなとも仲良くなって打ち解ける事が出来た。
魅音はノリが良く、明るく元気でいつも楽しい事を運んでくきてくれる。
魅音がいるから毎日が本当に楽しかった。

…なのに、その魅音がこんな様子じゃ俺まで悲しくなってくる。

どうすれば魅音は以前のように笑ってくれるのだろうか。

そんな事を考えながら席につくと、ぶうっとおならのような音が鳴り響いた。
念のために言っておくが俺はおならなんてしていない。
音のした方を見ると俺の椅子にクッションのようなものが敷いてあった。
「…ぷっ…あはははは!…まんまとやられたね圭ちゃん」
するとさっきまでボーっとしていた魅音がおかしそうに俺を見て笑っていた。

…あ、笑った。

「おーっほっほ!大きなおならですこと!はしたないですわねぇ!」
よく聞き慣れた生意気な笑い声を聞いて俺は確信する。
そして声の主の方に勢いよく振り返った。
「俺の椅子にこんなものを置いたのはお前か沙都子ぉぉぉぉ!!」
俺は椅子に敷いてあったブーブークッションを掴んで音を鳴らす。
「何の事ですの?私にはわかりませんわ~!」
そして逃げようとする沙都子を追いかける。
本当は沙都子の事そんなに怒ってはいない。むしろ魅音を笑わせるきっかけをくれた沙都子に感謝してもいいくらいだ。

だけど魅音が笑ってくれるなら沙都子のトラップにかかって道化を演じるのも悪くない。
あ、それなら魅音の罰ゲームにかかるのでもいいのかも知れない。
そういえば最近詩音がほぼ毎日来てるから部活もほとんどしてないな…
多分放課後は詩音が来て出来ないだろうから…休み時間にでも軽く部活みたいな事をするのもいいかもしれない。
もちろん罰ゲーム付きで。
魅音が前みたいに元気を取り戻してくれるなら罰ゲームだって何だって…いや、でも魅音の罰ゲームはシャレにならないからな…だけど…いや、うん。



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