Tips：昼休み

（Tips2）

昼休みに教室を飛び出した魅ぃちゃんは、一人にして欲しいとどこかへ消えていった。
弁当の後、魅ぃちゃんが気になって探しに行くと、案の定校舎裏の隅の方で一人泣いていた。

「…っく…うっく…」
私は魅ぃちゃんに寄り添って背中をそっと撫でた。
「魅ぃちゃん…泣かないで…」
「……私ね、詩音が圭ちゃんの事好きで付き合ってるならそれでいいんだよ…最近本当に圭ちゃんに惹かれていってる気がするし」
「うん」
「だけど…詩音が私にあんなに意地悪してくるのが悲しくてっ…
　詩音は昔から意地悪な所はあったけど…わざと人を傷付けたりするような子じゃなかったのに…」
「そうだね、魅ぃちゃんの妹だもんね」
「…圭ちゃんだってなんだかんだ言って嬉しそうだし…もう入り込む余地なんてないのは分かってるのに…」
「そうかなぁ？圭一くんは本当に詩ぃちゃんの事が好きなのかな？」
「…？レナ？」

気付いてないのは本人達ばかり。
多分詩ぃちゃんだって薄々気づいてる。
だから毎日毎日あんなに必死に圭一くんにまとわりついて見せつけるような事を…
このままじゃ魅ぃちゃんがあまりにもかわいそう。
いや、魅ぃちゃんだけじゃない…このままじゃ取り返しのつかない事になる。

ちょっと圭一くんと話をして来なきゃいけないかも知れないな。

私は魅ぃちゃんの肩を抱きなら宙を睨みつけた。